サイバーリンク、学校教育現場での概念実証試験にAI顔認証エンジン「FaceMe(R)」を提供 | Guidable - Your Guide to a Sustainable, Wellbeing-centred Life in Japan

サイバーリンク、学校教育現場での概念実証試験にAI顔認証エンジン「FaceMe(R)」を提供

By Guidable Writers Feb 24, 2021

 

AIと顔認証技術のパイオニアとして知られるサイバーリンクは、株式会社ジェーミックス(以下:JMiX)が開始した学校教育現場における概念実証試験にAI顔認証エンジン「FaceMe(R)」を提供し、採用されたことを発表した。

JMixは実証試験を、2021年2月21日から開始し、AI顔認証技術を活用した感情検知「エモーショナルセンシング:顔いいね(以下 顔いいね)」を行う。

 

AI 顔認識エンジン「FaceMe」とは

サイバーリンクのAI顔認証技術で、機械学習とディープニューラルネットワーク AI 技術を使用し、高い精度での顔認証を可能にしている。

マスク検出とマスク着用中の顔認識が可能で、新型コロナウイルス感染症の流行後の新しい生活様式でも活用ができる。様々な領域での活躍が期待できそうだ。

 

「顔いいね」とは

教育現場での実証試験に向け開発された「顔いいね」は、この「FaceMe」を活用している。AIによる精緻な分析と正確な検知で、児童生徒の管理や毎日の健康観察などを行い、教師の負担軽減が期待されている。

生徒がカメラに映るだけで、年齢、性別、感情、顔の向きなど、顔に関する属性を高精度に検出し分析する。また、赤外線サーモグラフィによる体表面温度測定も同時に行うことが可能。

様々な環境下の生徒が集団で生活を送る学校教育現場では、1人の生徒に対応できる時間は限られている。また、新型コロナウイルス流行以後に学校生活を送る生徒が、従来よりストレス過多であることは容易に想像できる。

そのような環境下の解決策として、より適切な生徒対応を可能にしうる技術の実証は非常に興味深い試みだ。

 

実証内容について

今回は、「AIが行動を理解し、精細な分析と正確な検知を可能にする」ことにより、学校教育現場において教師の負担軽減にどのように寄与するかが実証される。

実証校には、上越市立飯小学校(新潟県上越市)が選ばれており、主に以下の機能について実証が予定されている。

 

①児童生徒の出席管理(入場方向にカメラを設置し登校を記録)

②児童生徒の健康管理(赤外線サーモグラフィによる自動体表面温度測定)

③児童生徒の表情に基づいて感情を推測し記録する

 

日々の様子やコミュニケーションからは確認しきれない生徒の健康状態や感情の変化を教員が観察することが可能になれば、学校教育現場における様々な課題解決に期待できる。

日本の公立高校を中心とした教育現場では、依然としてデジタル化や多様化の遅れが課題として挙げられる。最新技術の導入により、教師の業務改善や児童にとってより良い教育環境が整備されることを期待したい。