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国際結婚の意外な話

By Guidable Writers Jan 11, 2018

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日本では、2006年をピークに日本人と外国人の国際結婚の数は減少傾向にありますが、昨今、来日する外国人の増加に比例して、2013年から全婚姻に対する国際結婚の割合は増加傾向にあります。おおよそ30組に1組が国際結婚という状況となっております。

 

そこで、日本人と国際結婚をして日本で暮らすためには「日本人の配偶者等」と言うビザの取得が必要になります。ここでは、このビザを取るための代表的なポイント2つを挙げながら国際結婚についての注意点までをいくつか紹介していきます。

 

ポイント① 安定的かつ継続的な収入があること

このビザに限ったことではありませんが、ほとんどのビザでは日本で生活するための経済的生活基盤が重要視されます。個人の生活はもとより、必要に応じた納税義務が果たせるかと言うことも重要なポイントになるのです。通常、働いている人は正社員で雇用されていれば、一応、安定的かつ継続的な収入があるとみなされます。

ただし、正社員であっても夫婦二人の収入が、一家が生活をするために必要な生活費としては足りないと判断されるとビザは出ませんので要注意です。

当然、収入や納税を証明する書類の添付が必要になります。

 

また、婚姻手続きとビザ申請手続きは別の手続きであるため、正式に婚姻は成立していても、安定的かつ継続的な収入が認められないとビザが取得できないと言う最悪のケースもあり得るのです。そうなると、結婚していても日本で一緒に暮らせないため、当面の間、日本以外で暮らすか、別居を余儀なくされると言うケースもあるのです。

 

ポイント② 婚姻の真実性

これはわかりやすく言いますと「私たちの結婚は正真正銘の結婚であって、偽装結婚ではない愛のある真実の結婚です。」と言うことを入国管理局に対して証明し、認めてもらう必要があると言うことです。少々変な話ではありますが、正真正銘、真実の結婚でもそれが十分説明できなければ、不許可になってしまう、というのがこのビザ申請の特徴です。

 

と言いますのも時折ニュースにもなっているのを見たことがあると思いますが、日本ではビザ取得目的の偽装結婚が多く、婚姻の真実性のチェックは大変厳しいものがあります。これは「日本人の配偶者等」のビザ取得によるメリットが大きいことが原因の一つでありますが、その最大のメリットとは就労制限がないと言う点です。具体的には、職種に限らず就労が可能になり、通常ビザが取れない飲食店や工場内での単純労働とみなされる職種でも働くことができるようになるのです。もちろん、就労ビザ取得の際に必要となる学歴や実務経験なども必要ありません。

 

では、「日本人の配偶者等」のビザ申請についてですが、まず、日本では「婚約者」に対するビザはありませんので、両国において正式に婚姻が成立している必要があります。ここでは婚姻手続きについての詳しい説明には触れませんが、各国の婚姻手続きや必要書類も国によって様々異なり、日本と相手国の手続きをどちらから行った方がスムーズにいくかなどの違いもあるため両国の婚姻手続きについてしっかり調べることから必要になります。

 

例えば、最近増えているネパール人との国際結婚の場合、日本人は男性18才以上、女性16才以上で婚姻可能とされていますが、ネパールでは原則、男性22才以上、女性20才以上と言う違いがあります。場合によっては、あと数年歳を重ねるまで結婚手続きができないと言うことも発生します。

また、最近の日本では多く見られる年の差カップルによる婚姻も、ネパールでは年の差の上限は20才差までと決められており、それ以上の年の差カップルは婚姻できなくなります。これらは例外的に認められるケースもありますが、いずれにしても通常よりハードルが高くなることに変わりはありません。こういった違いにより、日本国内では婚姻が成立しても相手国では婚姻が成立しないと言うことにもなりえるので、そうなるとビザの取得もできないと言う事態にもなるのです。このように、婚姻手続きの段階で、単に日本人同士が結婚する場合より注意しないといけない点が多くなるのです。

 

このように難しい婚姻手続きをクリアして、晴れて両国で婚姻が成立しても、ビザを取得するためにはその婚姻が真実であると言う証拠をそろえて、入国管理局に認められないとビザがもらえないのが、このビザ申請の難しいところであり、相応のノウハウが生まれる所以です。

 

前述のネパール人との婚姻に限らず、特に年の差が大きい場合や、交際期間が短く結婚する場合には、通常より厳格に信憑性が審査されます。具体的には、交際の経緯や、生活状況、結婚することになった経緯・理由まで、証拠資料と伴にしっかり説明する必要が出てくるのです。最近ではLINEでのやり取り、特に「I Love you????」などと真実の愛を育んできた内容をプリントして添付することが効果を発揮する場合もあるほどです。

 

そして差別ではなく、傾向として申し上げると、アジアの方との結婚のほうが、欧米の方との結婚に比べて審査が厳しいと思います。おそらく、それは過去に偽装結婚で摘発された件数が、アジア出身の方のほうに多かったからだと思います。

このビザ申請の証明責任と立証資料をそろえる責任は申請者にありますのでご自分で手続きすると思いのほか難しく、書類不備・説明不足で不許可になってしまうケースがあるのも現実です。これらをしっかりと理解した上で手続きを進めていってほしいと思います。

 

 

柳舘行政書士事務所
行政書士 柳 舘  亮 一(ヤナギダテ リョウイチ)

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