技術人文国際ビザを取得するために押さえておくべきポイント | Guidable - Your Guide to a Sustainable, Wellbeing-centred Life in Japan

技術人文国際ビザを取得するために押さえておくべきポイント

By Guidable Writers Jan 12, 2018

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日本ではグローバル化やダイバーシティと言った考え方が広まるにつれ、外国人の雇用を検討する経営者も増えており、外国人労働者は増加しています。しかし、日本で外国人が働くことはそう簡単なことではなく、ビザや在留資格の制度をしっかり理解して、適切なビザ申請手続きを踏む必要があります。そこで、ここでは外国人の目線で、入国管理局へのビザ申請手続きをするにあたってのポイントを順番にご紹介していきます。

 

○「ビザ」と「在留資格」

まず、大前提としてよく耳にするワード「ビザ」と「在留資格」について整理しておきます。正確には「ビザ」と「在留資格」は違うものを指すのですが、日本では「ビザ」と呼ばれているものは、一般的に「在留資格」のことを指します。実際には「ビザ」は日本へ入国するときに必要なものであって、入国後に使用するものではなく、一方「在留資格」は日本に入国後、日本に滞在するために必要な資格であり、中長期滞在するすべての人が何らかの「在留資格」を付与されている必要があるものと言う違いがあります。そして、「在留資格」ごとに許された範囲の活動のみを日本では行うことができるシステムになっていて、その種類は現在28種類あります。このように「ビザ」と「在留資格」には違う意味がありますが、ここでもわかりやすくするために「在留資格」を指す意味合いで「ビザ」と呼んでいきます。

 

さて、その28種類あるビザの中で、一般的に日本で就職したときに必要となるのが「技術・人文知識・国際業務」と言うビザであり、最も幅広くほとんどの業種はこれに該当しますので、ここではこの資格取得についてのポイントを説明していきます。またこのビザはそれぞれの頭文字をとり「技人国」とも呼ばれています。

○業種、職種選び

最も幅広くほとんどの業種が該当するとはいえ、日本の外国人受入れ政策は、あくまで専門的、技術的なスキルを持つ外国人の受け入れです。いわゆる単純労働を行わせるための労働力として外国人を受け入れるといった目的ではありません。例えば、単純な清掃員、店頭での販売員やウェイトレス、コンビニの店員、工場内の単純作業員などを行うためのビザは無いのです。「技人国」ビザにおいても、これら単純労働とみなされると許可は出ません。

そこで大切になるは業種や職種選びと言うことになります。もう少し具体的に言うと、就職後、実際にどのような仕事をするのかと言うことをしっかり踏まえて、就職先を探す必要があると言うことです。そうしないと、就職先は決まったけれど、ビザが出ないと言う事態にもなりかねません。実際、採用する会社側もそういったことまでわからず採用するケースもあり、自身でしっかり確認する必要があるのです。

 

○学歴について

日本では前述した外国人受け入れ政策の方針上、ビザの制度ではより一層学歴が重視されます。技人国ビザを取るためには日本の大学院、大学、短大、専門学校、または他国での大学院、大学、短大を卒業していることが必要になります。例えば、自国で高校や専門学校を卒業後、日本の語学学校へ留学して卒業後に就職が決まってもビザは出ないと言うことになります。当然、その学歴やスキルを証明するため、大学等の卒業証書や成績証明書、履歴書、資格の合格証等々、多くの添付書類が必要になります。

 

さらに、学んできた内容も重視され、就職後の仕事に学んできたことが何らかの形で活かせる仕事である必要があるのです。もちろん前述したように単純労働ともみなされない仕事である必要もあります。例えば、一生懸命学校で調理の勉強をしても、調理師(コック)としては技人国ビザでは働くことはできないのです。ちなみに調理師(コック)としてのビザを取るためには、原則実務経験が10年以上必要になり、別のビザを申請する必要があります。

 

○会社選び

入国管理局は外国人を雇用する企業の信頼性も審査します。外国人本人について審査するのはもちろんのこと、その外国人を受け入れる側の会社についても審査を行っているのです。

よって、会社の信頼性を高めるためにも、申請書類の添付資料として、会社の登記事項証明書や定款、会社案内、財務諸表、法定調書合計表、許認可の証明書などの提出にしっかり協力してくれる就職先を選ぶ必要があります。

入国管理局としては、外国人を雇えるしっかりした企業なのかどうかを審査しますので、より安定性・継続性の高い企業であるとみなされるために、非常に多くの資料を提出する必要があるのです。

現在では、ビザ申請に関する事務手続きの簡素化及び迅速化に対応するべく、入国管理局では、外国人労働者を受け入れる企業を、その規模によって4つのカテゴリーにランク分けしています。そして、そのカテゴリーごとに提出書類の種類(量)も分かれていて、信頼性の高い企業の審査はより迅速化されています。その4つのカテゴリーを以下に示します。

 

  • カテゴリー1・・・上場企業等
  • カテゴリー2・・・前年分の職員の給与所得の源泉徴収税額が1500万円以上の企業
  • カテゴリー3・・・前年分の職員の給与所得の源泉徴収税額が1500万円未満の企業
  • カテゴリー4・・・法定調書を出せない新設の会社

 

当然、カテゴリー1が一番信頼性が高く、提出書類も信頼が高いカテゴリー1、2は少なく、カテゴリー3、4と少しずつ多くなります。

 

そこで、少しでも会社規模が大きく、事業の安定性や継続性が高いところに就職できるよう努力することも大切になるのです。

 

 

これまで述べてきたように、スムーズに技人国ビザを取得するためには、自身の学歴やスキルを高め、それを活かせる職種を選ぶ必要があり、少しでも規模が大きく、信頼性の高い会社に採用されることがポイントになります。

これらを入国管理局で認めてもらうためには、法務省のホームページなどに掲載されているカテゴリーごとに決められた必要書類を添付して、申請を行うのですが、実際には定型の書類を出しただけでは不十分とみなされることが多いのです。

そこで、入国管理局に認めてもらいやすくするために、申請内容を補強するため、必要書類とされているもの以外に、プラスアルファー添付した方が良い書類と言うものが多くあります。そこが日本の入管行政、さらにはビザ取得の難しいところであり、最大のポイントともいえるところです。いわゆる日本独特の「本音と建て前」と言ったところでしょうか。ゆえに、よりビザを取りやすくするノウハウと言うものが生まれてくるのです。

柳舘行政書士事務所
行政書士 柳 舘  亮 一(ヤナギダテ リョウイチ)

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